感染の波、アジア諸国に急拡大 国際機関が警鐘
(CNN) 世界保健機関(WHO)は8日までに、新型コロナウイルスの感染が南アジアと東南アジアで急激に拡大しているとの見解を明らかにした。インドで感染被害の拡大に拍車がかかる中、同様の事態が地域を形成する各国に広がりつつあるとして警鐘を鳴らしている。
WHOは5日、過去1週間で報告された全世界の感染者のうち半数近くをインドが占めたと発表した。死者数の割合は4分の1に達したという。
またネパールやスリランカ、モルディブといった隣国でも感染者数が急増。さらに東南アジアのタイ、カンボジア、インドネシアでも同様の傾向が確認できるという。
WHOによると、東南アジアでは過去1週間で新規の感染者と死者がそれぞれ270万人超、2500人超報告された。率にして19%、48%の増加。地域全体での感染状況の悪化については、大部分をインドが牽引(けんいん)しているとの見方を示唆した。
急速なウイルスの蔓延(まんえん)は、各国の医療システムや医療サービスの供給を激しく圧迫している。危機の深刻化を受け、国際的な支援を求める国も出てきている。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は5日、より多くの対策を実施しなければ、アジア全体を襲いつつある悲劇を止められないと警告。声明で「ウイルスに国境は関係ない。変異株がアジア全域で猛威を振るっているのが現状だ」と述べた。