ウクライナ当局、南部のロシア支配地で武装抵抗拡大と報告
(CNN) ウクライナ政府当局者は22日までに、同国南部に侵攻したロシア軍の占領地内で住民らによる武装抵抗が増えていると報告した。
ウクライナのアレストビッチ大統領顧問は、南部メリトポリでは抵抗運動組織による妨害工作でロシア軍の装甲列車が脱線を起こしたと説明。メリトポリは今年3月初旬以降、ロシア軍が制圧し続けている。
同顧問によると、人員や弾薬を積んだ列車が転覆し、爆発も起きた。爆発は列車ではなく、線路上で発生したとし、「爆発で1人の占領者も死ななかったのは不運」とも評した。
ただ、重要なのはウクライナ南部で「同国のゲリラたちの活動は活発で効果的であるということだ」と強調した。
顧問は占領地内のいたる場所でちらしなどがまかれているとも指摘した。メリトポリが位置するザポリージャ州や南部ヘルソン州のロシア軍の支配地内でも最近、ウクライナのゲリラ兵がロシア軍兵士を殺害する画像などを盛り込んだポスターが散布され始めていた。
メリトポリのフェドロフ市長も、顧問と同様の説明を19日に示した。脱線した列車は10両編成で、線路が破損し、装甲列車の進行が止まったとの非公式情報も流れている。
この装甲列車を追走していた、燃料タンクを積んだ10両を連結していた機関車も停止したという。
メリトポリが位置するザポリージャ州政府当局は19日、ロシア軍はウクライナの鉄道関係者が線路の維持管理作業に従事することを許可しなかったと指摘。ただ、ロシア軍による鉄道網の頻繁な利用は続いていたという。
アレストビッチ顧問は今回の装甲列車の脱線について、単発的な抵抗活動の結果だったわけではないとも主張。入手した情報に基づきながら、ロシア軍の高位の将校2人が抹殺されたことにも触れた。
同州政府は18日、占領側はこの将校2名が死亡した事態の隠蔽(いんぺい)を図っているものの、遺体を運ぶ民間の輸送手段の確保に懸命となっていたとも述べた。
CNNは装甲列車への襲撃やロシア軍将校2名の死亡の事実確認は独自に出来ていない。