反年金改革のデモ隊、米資産運用大手の入居ビルに突入 フランス

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オフィスビルに入りデモを行う抗議者ら/Aurelien Morissard/AP

オフィスビルに入りデモを行う抗議者ら/Aurelien Morissard/AP

パリ/ロンドン(CNN) 年金制度改革への抗議が続くフランスの首都パリで6日、デモ隊が米資産運用大手ブラックロックのオフィスの入る建物に突入した。政府の年金改革に対する抗議の矛先を世界最大の資産運用会社に向けた格好だ。

SNS上の動画には、デモ隊がオペラ座付近にあるオフィスビルに入り、赤い発炎筒を掲げたり発煙弾を発射したりする様子が映っている。

労働組合の代表者を含む約100人はビルの1階に約10分間とどまり、改革に反対するスローガンを連呼した。ブラックロックのオフィスは3階に位置する。

労働組合SUDの広報はCNN提携局BFMTVの取材に「今回の行動の意味はごくシンプルだ」と説明。年金に充てられる労働者の資金をブラックロックが奪っていると指摘した。ブラックロックはコメントを控えた。

デモは大半の労働者の年金受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げる政府案に抗議するもので、6日で11日目に入った。政府は先月、議会採決を経ずに年金改革法案を通過させるため、憲法上の権限を発動していた。

一連の変更により、2027年以降、年金を満額受給するには従来より長く働くことが必要になる。

ブラックロックはこの年金改革に全く関与していない。ただ、ロイター通信の取材に応じた元教師のデモ参加者は、労働者が同社を標的にする理由について、ブラックロックが年金基金を扱っているためだとの見方を示した。

政府は財政赤字を防ぐために年金改革法が必要だと説明するが、今回の改革は生活費高騰にあえぐ労働者の怒りを招く結果になった。エネルギー価格の伸びが急激に鈍化したおかげで、フランスのインフレ率は2月の史上最高値から下がったものの、食品価格の高騰は加速している。

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