「目標設定」だけでは業務は改善せず 適切な目標かどうかの検証を
グレッチカンボ氏は「かつては、全社的に同じ目標を設定するようなケースも見られた。しかし、いまでは、会社の中でそれぞれの従業員がそれぞれの役割を担うといった状況で、はるかに複雑だ」と語る。
管理職や会社にとっては、社員それぞれに適した数値目標を設定し、その功績を定量的に評価するということが困難であることには変わりはない。
アリゾナ大学のオルドニェス教授は、組織が大きくなり、経営者と社員の距離が離れるほど目標設定や評価が難しくなるとの見方を示す。
簡単ではないが、社員のことや会社が置かれた環境をよく理解し、何とかして社員のやる気を引き出すことが肝要だという。
エーオンヒューイットのグレッチカンボ氏は、管理職は、これまでのやり方よりも手間はかかるが、目標の設定とそれに到達する方法を見出すことの両方に重点を置いて取り組むべきだと指摘する。目標達成までの過程で何か学べるものがあれば、やる気を引き出すのに非常に有効で社員と会社の双方にメリットとなると同氏は付け加えた。
グレッチカンボ氏は、多少の手間はかかっても真に適切な目標設定を行えば、やる気や大きな達成感につながり、そのメリットは非常に大きいと指摘する。