「目標設定」だけでは業務は改善せず 適切な目標かどうかの検証を
(CNN) 「乱暴な目標設定」と題された学術論文が2009年に発表された時、目標の押し付けを嫌がる一般社員から歓迎する声が相次ぐ一方で、経営幹部や管理職からは不満の声が聞かれた。
この論文は、職場における目標設定が必ずしも生産性や収益向上のための最良の手段ではないことを示唆するものだった。しかし、共著者でアリゾナ大学経営学部教授のリサ・オルドニェス氏のもとには、経営戦略を台無しにしてくれたことに対する「感謝のメール」が送られてくることとなった。
しかし、オルドニェス教授は、この論文が目標設定そのものを否定しているわけではなく、目標が真に有益なものなのかを徹底的に吟味すべきだと主張しているのだと説明する。
同教授がこの論文を書くきっかけとなったのは、経営や管理職向けの指南書などでは目標設定が、困難な状況に置かれた企業にとり、万能薬であるかのように記述されていることが多いと感じたことだった。
論文では、不適切な目標設定が、社員のやる気を引き出すことに失敗しただけではなく、反倫理的行為や企業の経営不振にまでつながったケースにも焦点を当てている。
例えば、2001年に破綻(はたん)した米国の巨大企業エンロンだ。