相次ぐ火災で浮き彫り、クルーズ業界の現実とは
(CNN) メキシコ湾を航行中に火災を起こしたクルーズ船「カーニバル・トライアンフ」が、足かけ5日間にわたる漂流の末、ようやく米アラバマ州の港に入港した。ここ数年で相次ぐクルーズ船火災は、各国の規制の手が届かず、停電が起きれば乗客が厳しい環境に置かれる現実を見せつけている。
トライアンフは乗客乗員4200人を乗せて米テキサス州からメキシコに向かっていたが、10日にエンジンルームで火災が発生して航行不能になった。
米沿岸警備隊や曳航船の助けで14日夜、アラバマ州モービルの港に入港し、15日までにすべての乗客が下船。この間、船内の停電でトイレも使えなくなって床や廊下は汚物にまみれ、乗客は「海に浮かぶトイレ」(乗客)状態の中での生活を強いられた。
クルーズ船のエンジン火災はここ数年、後を絶たない状況だ。
2011年だけでもインド洋やフィリピン沿岸、メキシコ沖の太平洋を航行していた客船が火災を起こして漂流。同年9月にノルウェー沖を航行中の客船で起きたエンジンルーム火災では乗員2人が死亡、乗客207人全員が脱出を強いられた。