「最も幸福な国」は3年連続で豪、日本21位 OECD調査
パリ(CNN) 経済協力開発機構(OECD)は28日、生活の満足度やワークライフバランス、所得などの指標に基づく先進諸国の幸福度を発表した。オーストラリアが3年連続で1位となった。
OECDが独自に設けた「より良い暮らし指標」は、各国の住宅や教育、保健、市民参加を含む11項目を比較している。
オーストラリアは2007年以降の世界金融危機にも大きな影響を受けず、昨年までの20年間、平均3.5%の経済成長率を維持してきた。背景要因としては豊かな資源に対するアジアからの需要や、安定した金融システムが挙げられる。
15~64歳の就業率は73%と、OECD平均の66%より7ポイント高い。一世帯当たりの可処分所得は2万8884米ドル(約295万円)で、これも平均の2万3047米ドルを上回った。一方で、年間労働時間はOECD平均より83時間短かくなっている。国民の共同体意識や市民参加度も高く、「困った時に頼れる人がいる」と答えた人は全体の94%に上った。
2位のスウェーデンは平均余命でオーストラリアと並ぶ一方、可処分所得は2万6242米ドルと及ばなかった。就業率は74%、生活への満足度もOECD平均を超えている。日常生活の中で抱く「誇り」「喜び」といったプラスの感情と「苦痛」「退屈」などマイナスの感情を比べ、プラスの方が多いと答えた人は85%を占めた。
3位はカナダ。同国の就業率は72%、可処分所得は2万8194米ドルだった。共同体意識も高いが、市民参加度は「普通」にとどまった。
上位3カ国とも貧富の差は大きく、上位20%の層と下位20%の層の所得の間には4~6倍の開きがあった。
4位以下にはノルウェー、スイス、米国、デンマーク、オランダ、アイスランドが並び、英国が10位。日本は36カ国中21位だった。