マドリードの道路、清掃員のストでごみ散乱
マドリード(CNN) スペインの首都マドリードで今月5日から道路や公園の清掃を担当する作業員6000人がストライキを展開し、市内の路上にごみやガラスの破片が散乱している。
市当局から道路清掃を委託されている民間業者3社が、全作業員の18%に当たる計1134人の削減を発表。雇用を継続する作業員に対しても賃金の引き下げを予告したことから、これに反発した組合がストに入った。
ボテリャ市長は当初、業者と組合との間で解決すべき問題との見方を示していた。スト中も道路で通常の40%、公園で25%の業務を継続することになったが、この取り決めは守られていない。主要な観光地では、少数の作業員が警察の警護を受けながら清掃に当たっている。
市内のホテルや商店は「街のイメージダウンだ」と悲鳴を上げる。街のリサイクルごみ置き場からはガラスや紙くずがあふれ、落ち葉も積もる一方だ。市民の健康への影響を懸念する声も上がり始めた。
業者は交渉期限を16日に設定した。市当局は同日、最低限の清掃のため国の委託業者から作業員を動員する方針だったが、そちらの業者も人員削減を巡り、組合との対立を抱えている。
マドリードをはじめとするスペインの都市は財政危機からの脱却に向け、市民サービスを外部業者に委託してコスト削減を図っている。作業員らのストは、これに伴う問題の深刻さを示しているようだ。