上位85人の資産、下層50%の合計額と同等 NGO調査
ダボス(CNNMoney) 国際NGO(非政府組織)オックスファムは22日までに、世界全体の富の増加分の約半分を上位1%の資産家が握っているとする報告書を発表した。
オックスファムは、米経済誌フォーブスが出している世界の長者番付と、スイスの金融大手クレディ・スイスの資産動向リポートに基づいて富の分配状況を調べた。
それによると、昨年の世界の家計資産の合計は前年比5%増の241兆ドル(約2京5200兆円)に達したが、このうち半分近くに相当する110兆ドルは、上位1%が独占していた。また最上層の85人が握る資産は、下層50%の人々の資産の合計額に相当するという。
オックスファムのビヤニマ事務局長は「貧富の格差そのものが危険なばかりでなく、少数の富裕層が権力を握り、それが世代を超えて引き継がれる恐れもある」と警告する。
世界経済フォーラム(WEF)は22日開幕の年次総会「ダボス会議」に向けた報告書で、世界経済が直面する最大の脅威は所得格差の拡大だと指摘した。オックスファムによれば、過去30年間で格差が拡大した国に住む人の数は、世界人口の7割を占める。
ビヤニマ事務局長は「格差は経済成長を妨げ、社会を不安定化させる」として、ダボス会議に出席する各国政財界の指導者らに、税制改革や医療、教育への投資などを通した格差是正を呼び掛けた。