NYの巨大観覧車、建設費は中国人投資家頼み
ニューヨーク(CNNMoney) 米ニューヨーク市のスタテン島で建設が進む世界最大級の観覧車。その建設費用の一端を、永住権取得を目指す中国人投資家が担っている。
観覧車は2年後に完成予定で、高さは約192メートル。36台のゴンドラにそれぞれ約40人が乗車でき、ニューヨークの摩天楼が一望できる。料金は1人35ドル(約4300円)。自由の女神を目当てにスタテン島フェリーに乗車する年間200万人あまりの観光客を呼び込もうと、アウトレットモールやホテル、レストランも併設する。
総工費は観覧車だけで5億ドルを超す。その費用をまかなうために開発業者が目を付けたのが外国人投資家だ。
米国には、雇用創出に貢献した外国人投資家にグリーンカードを発給する投資永住権(EB-5ビザ)の制度がある。失業率の高い地域で50万ドル、失業率の低い地域では100万ドルを投資することが発給の条件。いずれも10人の雇用創出を義務付けている。
国務省によると、新興国の富裕層増加に伴ってここ数年で同制度の人気が高まり、ビザ発給数は2007年の800件未満から、2014年には1万件を突破した。
ニューヨークの観覧車にはこれまでに中国人投資家300人が1億7000万ドル以上を投資した。同プロジェクトでは400人がフルタイムで採用され、建設などの作業のために5000人の雇用が創出される見通し。
中国人投資家とその家族には年内に一時滞在ビザが発給され、予定通りに雇用が生まれれば永住ビザが発給されて、米国の市民権取得も可能になる。プロジェクトが成功すれば2.75%の利子も受け取れる。