メキシコが経済防衛の準備、トランプ氏当選に備え
ニューヨーク(CNNMoney) メキシコの中央銀行総裁は6日までに、米大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補が当選した場合に備え、メキシコ経済への悪影響を乗り切る緊急対応策を準備していることを明らかにした。
トランプ氏当選による自国経済への衝撃を「ハリケーン」とも称して警戒している。緊急対応策の詳細は公表されていないが、トランプ氏をメキシコの大きな脅威と認識していることを裏付けている。
中銀のアグスティン・カルステン総裁は地元のミレニオTVの取材に、緊急対応策は財務相と話し合って詰めていると述べた。
トランプ候補は大統領選の選挙戦で、雇用対策などの面から米企業がメキシコ内で製造し米国内で売る製品に35%の輸入関税を課す考えを表明。メキシコは経済活動の3分の1を輸出に頼り、ほぼ全ての製品が米国市場向けとなっている。
トランプ氏はまた、協定の再交渉がない場合、カナダやメキシコと締結する「北米自由貿易協定(NAFTA)」を破棄する計画にも言及。不法移民対策でメキシコとの国境沿いに壁を築き、その工費をメキシコ側に負担させる案も明らかにしている。メキシコ大統領は工費支払いを拒否している。
メキシコを否定的にとらえるトランプ氏の政策提言はメキシコ通貨ペソの価値減少にもつながり、今年に入り9%目減りしている。トランプ氏の支持率が上がれば、ペソの価値が下がる循環にもなっている。