米政権、鉄鋼・アルミに追加関税賦課へ
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入品に対し追加関税を課す方針を明らかにした。来週にも正式発表する考えで、経済や国家安全保障上の方針に沿った動きと位置づけている。
トランプ氏によれば、苦境に陥っている産業を下支えするため、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を新たに課す方針。これにより、一部の側近の間でも意見が割れていた数カ月に及ぶ政権内の論争に終止符が打たれることになる。
今回の動きは外国からの報復措置を招く公算が大きい。米国と他の鉄鋼生産国の間で通商戦争に発展する可能性もある。
これらの関税がやがて段階的に撤廃されていくのかどうかは現時点では不明。また、鉄鋼生産を行う主要同盟国の利益を損なうのを避けるため、一部の国を対象から除外するのかどうかも分かっていない。
トランプ氏は鉄鋼やアルミ企業幹部との会談の中で今回の動きを発表した。ただ、こうした政策はまだ実行に移す準備が整っておらず、策定状況も不完全だ。
トランプ氏は、政策は「目下策定中」だと認め、署名は来週になると説明。そのうえで、保護措置は長期的なものになるとし、関連産業を再成長させる必要があるとの認識を示した。
トランプ氏の発表を受けて株式市場は急落。ダウ工業株平均は発表後の数時間で500ポイント下落した。また、鉄鋼やアルミを使用する国内製造業は、今回の計画に対し強い批判を展開し、雇用喪失や消費者物価の上昇につながりかねないと主張した。