香港経済、過去10年で初の景気後退入り デモ響く
香港(CNN Business) 地元政府や中国政府への抗議デモが長期化する香港の経済が予想以上に悪化し、今年第3四半期(7〜9月)の成長率は前期比でマイナス3.2%となるリセッション(景気後退)に突入したことが3日までにわかった。
地元政府の公式データで判明した。香港経済の不況入りは過去10年で初めてとしている。第3四半期の成長率は前年同期と比べた場合、マイナス2.9%だった。
今年の第2四半期は前期比でマイナス0.5%だった。不況は来年まで続く可能性がある。
貿易の主要拠点である香港の経済は米中貿易摩擦や中国経済の後退で足踏みを続けていた。過去5カ月間続く抗議デモが景気鈍化に拍車をかける形ともなった。
観光業も不振で第3四半期中の訪問客数は前年同期比で37%減を記録。ホテルの稼働率も28%減となり、1部屋当たりの収益率の下落を報告する高級ホテルチェーンもある。小売業界も打撃を受け、過去数カ月間、閉店時間の前倒しや営業日の短縮などを強いられている。
デモ参加者は自らの主張に同調しない店舗、レストランや銀行などを襲い、建物を損壊したり放火したりしてもいる。
複数のエコノミストは今年通年の経済成長率は0〜1%との当初の目標数値に到達しないと予想。あるエコノミストは今年はマイナス0.1%で、来年は0.6%成長と予想した。
地元政府の報道官は3日までに、香港経済は世界経済の減速や米中貿易摩擦がありながらも昨年以降、上昇基調を示していたと指摘。「状況は重大な社会問題のしわ寄せで最近、突じょ悪化した」と認めた。
香港政府の財政当局は最近、抗議デモに影響を受ける経済活動を支えるため新たな対応策を発表した。