就業断念の女性、9月は61万人超と男性の約8倍 米統計
ニューヨーク(CNN Business) 米労働統計局は11日までに、就業を先月断念した米国人女性は約61万7000人に達し、7万8000人だった男性の約8倍の規模となったとの統計を公表した。
米国の新型コロナウイルスの猛威が衰えない中で、国内経済での男女不平等が悪化し続けていることをうかがわせるデータとなっている。
働くことを先月やめた女性の半数は35〜44歳層だった。多数の女性の労働市場からの撤退は失業率を引き下げる要因ともなるが、9月の女性の失業率は全米規模で8%にとどまっていた。失業率がより高かったのは黒人とヒスパニック系の女性だった。
新型コロナの流行に伴う今回の経済苦境での女性への打撃は以前の景気悪化時より大きい。接客業やレジャー産業など女性を多く雇う業界はより厳しい経営環境に直面している。
在宅の授業などを強いられる時期には家庭内で女性の役割がより増しているともみられ、それだけ女性は職歴を深める生活を続ける上での障害に直面してもいる。
米コンサルティング企業のマッキンゼーなどは、家事や子どもなどの世話での母親の負担は父親の3倍以上に達している可能性があると報告。
先月の女性による大規模な就業断念の原因は少なくとも子どもの世話を頼める選択肢の不足が一因との見方もある。託児施設などの業界の雇用は9月にコロナ禍前の時期に比べ約18%減ったとの情報もある。
女性が仕事の継続をあきらめることは生活費を稼ぐのが2人いる家庭では簡単な問題ではない。収入額がより低いパートナーが引き下がる解決策が考えられるが、ひとり親の場合はこの方途も選べない事態となる。