米首都のトランプホテル、投資ファンドに売却 トランプの名は消える見通し
(CNN) トランプ前米大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションが、首都ワシントンにある「トランプ・インターナショナル・ホテル」のリース権を、投資ファンドのCGIマーチャント・グループに3億7500万ドル(約427億円)で売却することで合意した。この案件に詳しい関係者が明らかにした。
同ホテルはホワイトハウスにも近い高級ホテル。関係者によると、CGIマーチャント・グループはホテルの名称からトランプの名を外し、ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスと提携して同ホテル傘下のウォルドーフ・アストリアのブランドを使用する見通し。
同ホテルは連邦政府が所有していることから、リース権の売却には米一般調達局(GSA)の承認が必要で、GSAが60日間の審査を行う。
CGIマーチャント・グループはCNNの取材に対してコメントを避けた。CNNはトランプ・オーガニゼーションにもコメントを求めている。
このホテルはトランプ前大統領の在任中を通じて保守系ロビイストが利用していたが、米下院監視・政府改革委員会が先月公表した文書によると、前大統領の在任中は7000万ドルの赤字を出していた。前大統領は同ホテルについて、数千万ドル以上の黒字だと公言していた。
同社は2019年からこの物件の売却を模索していたが、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で旅行業界が実質的に閉鎖状態となり、進展がなかった。
かつて郵便局だったこの建物は、連邦政府の土地と建物を管理するGSAが12年にリースを認め、16年に当時の共和党大統領候補者だったトランプ氏がホテルを開業した。