コカ・コーラ英国法人、フタが外れないペットボトル導入
ニューヨーク(CNN Business) 米飲料大手コカ・コーラの英国法人は今週、フタと本体がつながれた新たなデザインのペットボトルの導入を開始したと発表した。容器全体を一度にリサイクルしやすくするとともに、フタがごみになるのを防ぐ狙いがある。
同社は「コカ・コーラ」と「コカ・コーラ ゼロシュガー」「ダイエット・コーク」「ファンタ」「スプライト」「ドクターペッパー」のペットボトルについて、2024年初めまでに全製品でフタと本体をつないだデザインを採用する方針。この移行は英国の容器のみに適用される。
コカ・コーラ英国法人のゼネラルマネジャー、ジョン・ウッズ氏は17日の声明で「これは小さな変化だが、消費者が当社の容器をリサイクルする際にフタが後に残らないようになり、大きなインパクトをもたらすことを期待する」と述べた。
現在、プラスチックゴミは大きな環境問題になっている。プラスチックはマイクロプラスチックに分解して大気や海洋に放出され、海洋生物に被害を与える。人間の食事や肺に入り込んで健康問題につながる可能性もある。
プラスチックゴミは企業イメージ上の大きな問題にもなる。同社の容器やフタが砂浜や埋め立て地に現れれば、消費者はそれをコカ・コーラの製品と認識し、ブランドの評判に傷が付く。このため、廃棄物を減らす取り組みを進める企業が増えている。
政府の規制の影響もある。例えば、欧州連合(EU)は使い捨てプラスチックに関する指令の一環で、一部のペットボトルについてフタが外れないデザインの採用を求めており、企業は24年末までに順守する必要がある。
コカ・コーラの英国での動きは「ワールド・ウィズアウト・ウェイスト(廃棄物のない世界)」と銘打った世界的な取り組みの一環。
一部の環境活動家からは、コカ・コーラの取り組みは不十分との批判の声も上がる。多くの環境活動家は、解決策として不完全なリサイクルに注力するのではなく、再利用可能な容器に切り替えることを提唱している。