米最高裁判決で緊急避妊薬の販売急増、大手チェーンやアマゾンが購入制限
(CNN) ネット通販大手の米アマゾンや大手ドラッグストアチェーンが今週から、緊急避妊薬の購入を1人あたり3錠までに制限している。各社の担当者がCNNに明らかにした。
アマゾンの担当者が28日に語ったところによると、「プランB」などの緊急避妊薬の購入は当面、週に3単位までに制限している。
ドラッグストア大手のライト・エイドも購入制限をかけていることを確認し、「需要が増大していることから、現時点で緊急避妊薬プランBの購入を客1人あたり3錠に制限している」と説明した。
ドラッグストア大手のCVSも27日の電子メールで、プランBなどの緊急避妊薬については「十分な供給」があるとしながらも、「公平な利用と店頭での継続的な供給を確保するため」、購入を1人あたり3錠に制限しているとしていた。
しかしCVSは28日になって、購入制限は撤廃したと述べ、「最高裁判決の直後から、緊急避妊薬の販売が急増し、公平な利用を保証するため一時的な購入制限を設けた」「その後販売が安定したため、店頭やネットでの販売制限を24時間以内に撤廃する」とした。「顧客のニーズに対応できる緊急避妊薬の供給は十分にある」としている。
緊急避妊薬の購入は、人工妊娠中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド事件」の判例を覆した24日の米最高裁判決を受けて急増した。複数の州が判決後直ちに実質的な中絶禁止に踏み切っていた。
米産科婦人科学会(ACOG)によると、緊急避妊薬は中絶させる薬ではなく、妊娠を防止する薬で、既に妊娠している場合は作用しない。