中国首相、自国の過剰生産を擁護 EVへの追加関税めぐり

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中国・大連で開幕した世界経済フォーラムで演説する李強首相/Qilai Shen/Bloomberg/Getty Images

中国・大連で開幕した世界経済フォーラムで演説する李強首相/Qilai Shen/Bloomberg/Getty Images

(CNN) 中国の李強(リーチアン)首相は25日、中国・大連で始まった世界経済フォーラムの「夏季ダボス会議」で演説し、自国を擁護した。中国をめぐっては、同国の過剰生産能力が電気自動車(EV)や太陽光パネルなどの世界市場におけるダンピング(不当廉売)につながっているとの非難がある。

李氏は、各国が自国の利益の最大化だけを考え、デカップリング(切り離し)を推し進めれば、社会全体と世界の経済運営コストは上昇するだけだと訴えた。

この演説の前日には、カナダが中国製EVへの関税導入を検討すると発表。自国の労働者が中国の「国家主導の過剰生産政策」による「不公平な競争」に直面していると批判した。

バイデン米政権は先月、自国の雇用と製造業を守るため、中国製EVに対する関税を25%から100%へと4倍に引き上げた。ただし、米国での中国製EVの販売台数はごくわずかだ。

中国製EVの最大の輸出先である欧州連合(EU)は今月初め、欧州の自動車メーカーを下回る価格を設定する企業への中国政府の支援を理由に暫定的な追加関税を発表した。

ロイター通信によると、中国とEUは関税措置が正式に発効する11月よりも前に協議を開始することに合意した。

中国の人民日報系の環球時報は23日、最良の成果は関税が発効し始める7月4日までにEUが決定を完全に撤回することだと報じた。

李氏は演説で、中国は「開かれた巨大な市場」であることを強調。今年初めには経済の「有望な回復の兆し」が見え、第1四半期の成長率は5.3%だったと述べた。

同氏は「この好調な勢いは第2四半期も続くと見ており、我々は年間経済成長目標である約5%を達成する自信と能力を備えている」と中国経済の力強さをアピールした。

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