バス停で日本人母子ら刺され負傷、容疑者拘束 中国・蘇州
(CNN) 中国東部の江蘇省蘇州市で24日、日本人学校の近くにあるバス停でスクールバスを出迎えようとしていた日本人の母子らが、男に刃物で刺されて負傷した。
日本外務省の当局者によると、スクールバス添乗員の女性も襲われて重体に陥った。母子は命に別条なく、病院で手当てを受けた。容疑者は警察に拘束されて取り調べを受けているが、動機は公表されていない。
現場に近い上海の日本領事館は、「中国人とみられる男」が刃物で母子を襲ったと発表した。
バス停に息子を迎えに行っていたという母親が日本メディアに語ったところによると、当時バス停には2台のバスが止まっていた。一方のバスの近くから叫び声が聞こえ、50~60代くらいの男が刃物で男児を襲うのが見えた。
江蘇省には日本企業の工場が集中し、現場周辺は日本人の多い地区。スクールバスは1.5キロほど離れた蘇州日本人学校の生徒を乗せていた。
添乗員や父母らが傘やかばんを使って容疑者を取り押さえたという。
領事館は声明で、中国各地の公園や学校、地下鉄など公共の場で最近、刃物による襲撃が報告されているとして、在中日本人に注意を促した。
中国当局や国営メディアは事件についての情報を伝えていない。中国のSNS大手「微博(ウェイボー)」で「日本人学校」を検索しても、公式アカウントの投稿以外は表示されない。
中国のSNSでは近年、極端なナショナリズムや反日感情が高まっている。最近は日本人学校に対して閉鎖を求めたり、スパイを養成していると主張したりする投稿もみられる。