中国市場で苦戦の米アップルにまた難題、チャットGPTは中国で使えず
(CNN) 米アップルは、主力商品のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の需要が落ち込んでいる中国市場での販売増加に向けて、新モデルに搭載される人工知能(AI)機能に期待をかけている。しかし、そこには問題がある。音声アシスタント「Siri(シリ)」との統合が近く行われる対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」が中国では禁止されているのだ。
アップルは今月開催したイベントで、AI技術を使った新機能「アップルインテリジェンス」をお披露目したほか、チャットGPTの開発元であるオープンAIとの提携も発表した。Siriが起動して質問に答えるためにさらに支援が必要な場合、チャットGPTが介入できるようになる。
オープンAIとの提携は、マイクロソフトやグーグルなどの競合がすでにAIでの足場を固めるなかで、アップルがいかにAI技術への取り組みを加速させようとしているかを示すものだ。
中国は、世界で最初に生成AI技術への規制に乗り出した国のひとつ。中国の国家インターネット情報弁公室(CAC)は昨年8月、新しい指針を発表し、IT業界に対して、生成AI技術を展開する前に当局からの承認を求めるよう要請した。CACは今年3月時点で、100以上のAIモデルを承認しているものの、そのすべてが中国企業のものだ。
米紙ウォールストリート・ジャーナルの報道によれば、アップルは9月に予想されるiPhoneの発売を前に、中国のAI企業との提携を模索しているものの、合意には達していない。
アップルは提携先を早急に探す必要がありそうだ。調査会社IDCによれば、今年1~3月期のアップルのスマートフォンの売り上げは10%減と落ち込みをみせたが、大きな理由のひとつは中国市場での販売が大きく減ったことだった。