「2018年火星の旅」、米民間団体が計画 501日間で往復
(CNN) 米富豪らの設立した団体が27日、2018年に男女2人を乗せた宇宙船を打ち上げ、501日間かけて火星付近まで往復する宇宙旅行の計画を発表した。
計画を推進しているのは宇宙開発事業を手がける米パラゴン・スペース・デベロップメント社のテイバー・マッカラム最高経営責任者(CEO)と米富豪デニス・ティト氏。ワシントンで同日、計画発表の記者会見が開かれた。
宇宙船は火星から約160キロまで接近するが、着陸はしないまま地球に戻る。米航空宇宙局(NASA)も火星への有人飛行を計画しているが、着陸を伴わなければ計画は、はるかに容易だ。乗員の選考は打ち上げの半年~1年前に行う予定で、夫婦が選ばれる公算が大きいという。放射線被ばくの危険を考慮して、出産年齢を過ぎたカップルが選ばれる見通し。
現存するロケットと宇宙船を利用することで、予算は10億ドル(約920億円)以内と、NASAの計画よりも大幅に安く抑える。NASAには資金提供を求めず、米国のための「慈善事業」として実施。記者会見では放映権の販売やスポンサー募集などで資金を調達する計画も発表された。
ティト氏はこのプロジェクトのために非営利団体(NPO)の「インスピレーション・マーズ財団」を設立した。同氏はNASAの元職員で、2000万ドル(現在のレートで約19億円)を費やして、2001年に民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)を訪問した経歴を持つ。
2018年を選んだのは、この年に地球から火星への距離が最も近くなるためだという。