「赤い惑星」の地中に灰色の岩盤、火星探査機の掘削で判明

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火星探査機「キュリオシティ」が体験した「恐怖の7分間」とは?

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「キュリオシティ」が行った掘削調査で、火星の赤い地表の下に、灰色の地層が隠れていることが分かった。NASAが20日に発表した。

キュリオシティは昨年8月に火星に着陸し、初めて岩盤を掘削して試料を採集している。今回の掘削では、岩盤にドリルで深さ6.4センチの穴をあけ、スプーン1杯ほどの試料を採取した。化学成分はまだ分析中だが、回収した物質は灰色に見えることが、火星から送られてきた画像で同日確認された。

NASAジェット推進研究所の専門家は、「火星の新しい配色が見えてきた。エキサイティングな成果だ」と話す。

専門家によると、火星の地表が赤く見えるのは、岩石に含まれる鉄分が酸素に触れてさびが生じることによる。しかし今回試料を採取した岩盤は、この酸化が起きていないことが示されたという。

生命の痕跡を探す上で、これは朗報といえるかもしれない。酸化にかかわる化学的反応には、有機化合物を破壊する性質があるためだ。「これで、この場所を生命が存在できる環境と見なす過程に我々がいるとの期待が持てそうだ」と専門家は解説する。

岩石は「タイムカプセル」のような存在で、火星の形成過程の環境を知る手がかりとなる物質が含まれている可能性がある。今後は火星形成の歴史や生命存在の可能性を探るため、灰色の粉末を振るいにかけ、成分分析することを予定している。

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