ESAの火星探査機、「着陸成功」示す信号届かず

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探査機「スキャパレリ」のイメージ図

探査機「スキャパレリ」のイメージ図

(CNN) 欧州宇宙機関(ESA)は20日までに、火星表面に着地する予定だった探査機「スキャパレリ」から着陸に成功したことを示す信号を受け取っていないと明らかにした。今後、確認のため、火星を周回する軌道探査機「トレース・ガス・オービター(TGO)」からの信号を分析するという。

ESAは、TGOを火星周回軌道上に乗せることには成功。TGOの使命は、生命の痕跡を示すとされるメタンガスの発生源を調べることで、2020年までの運用が予定されている。

スキャパレリは火星の大気中を時速1600キロ以上の高速で降下する際の高温に耐えるシールドで守られており、パラシュートやエンジンの逆噴射で速度を落とすことになっていた。ESAによれば、着地の衝撃をやわらげるために自動車にあるような緩衝部も設けられていたという。

たとえ着陸に成功した場合でも、スキャパレリを運用できるのはバッテリーが切れるまでの3~10日間だけだ。

このミッションは、ESAの火星探査計画「エクソマーズ」とロシアの国営企業ロスコスモスが合同で行ったもので、火星に探査機を着陸させる能力をテストするのが主な目的だ。ESAでは2020年に火星探査車を打ち上げる計画だ。

ESAは2003年に、火星着陸機「ビーグル2」との交信が絶たれるという苦い経験をしている。米航空宇宙局(NASA)の探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」が昨年、送ってきた画像によれば、ビーグル2は着地に成功したものの、ソーラーパネルが正常に作動しなかったとみられている。

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