黒人は白人より「大きく危険」、先入観はびこる 米
(CNN) 実際に同じ体格の黒人男性と白人男性を目にしても、人々は、黒人のほうをより大きく、より脅威と認識する――。そんな調査結果をこのほど、米心理学会(APA)が公表した。
調査ではインターネットを通じて、950人に、黒人男性と白人男性の体重や身長、力強さ、体格を評価してもらった。
調査を主導したモンクレア州立大学のジョン・ポール・ウィルソン氏は「評価には常に先入観がつきまとった」と指摘。実際は黒人男性も白人男性も同じ大きさだったにもかかわらず、回答者は黒人を白人よりも、大きく強いと判断したという。
調査では、黒人男性に対しては力の行使もやむ負えないとの見方が強かったことも分かった。口論を仮定した場合、黒人男性のほうがより危害を与える能力が高いため、彼らを制圧するために警察が力を行使することについて、より正当化されやすいという。
黒人の回答者も白人の回答者も黒人男性の大きさや力を過大評価していた。しかし、黒人の回答者は、黒人男性をより危険だとみなしたり、口論の最中に警察が力を行使することが当然だとはしなかった。
肌の色が濃かったり、厚い唇といった「黒人らしい」顔の特徴が強かったりすると、先入観も強まったという。
APAの2014年の調査でも、黒人の少年は白人の少年よりも年齢が高いとみられるほか、犯罪についても潔白だとみなされることが少ないという結果が報告されていた。