太陽に初の「接触」へ、NASAの探査機打ち上げ成功

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太陽熱シールドの外に張り出したセンサーが太陽の大気のサンプルを採集することによって、実質的に太陽に「接触」する/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/NASA

太陽熱シールドの外に張り出したセンサーが太陽の大気のサンプルを採集することによって、実質的に太陽に「接触」する/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/NASA

太陽周辺では厚さ約11.4センチの炭素複合材でできた太陽熱シールドが、セ氏およそ1370度の高熱から探査機を守り、内部を計器が正常に動作できる温度に保つ。

太陽周辺での速度は人工物としては史上最速の時速69万2000キロに到達。これは地上での速度に換算すると、フィラデルフィアからワシントンまで1秒で到達できる速度になるという。

探査機に搭載された「ソーラープローブカップ」と呼ばれるセンサーは、太陽熱シールドの外に張り出して太陽の大気のサンプルを採集することによって、実質的に太陽に「接触」する。

探査機は、太陽風が亜音速から超音速へと強まる様子を観測できる地点にまで接近するほか、太陽粒子の発生源も通過する。

アリゾナ大学月惑星研究所の専門家は、「そうした太陽エネルギー粒子の挙動に関する理解が深まれば、火星に宇宙飛行士を送り込む時期について予想が立てやすくなり、衛星が放射線バーストによって破壊される前に守ることもできる」と解説する。

ミッションは2025年6月に終了を予定している。11月には太陽に初接近して、12月初めには初のデータが届く見通し。

ミッション終了後の探査機は、いずれ推力を使い果たす。「10~20年以内には、炭素製の円盤が太陽周辺の軌道を浮遊する状態になり、太陽系が終わるまでそこにとどまり続けてほしい」。ジョンズ・ホプキンズ大学応用物理学研究所の専門家はそう解説している。

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