放火探知犬になった保護犬、消防局が採用 ピットブルテリアで初
(CNN) カナダの闘犬組織から保護されたピットブルテリア犬が、米ニュージャージー州の消防局に放火探知犬として採用された。この犬種の採用は初めてと思われ、獰猛(どうもう)な犬と思われやすいピットブルテリアに対する誤解を解くきっかけになればと、関係者は期待を寄せている。
元気いっぱいで人の顔をなめるのが大好きな4歳の雄の「ハンセル」は、17日に訓練所を卒業して、正式に同州ミルビル消防局の一員となった。
ミルビル消防局の消防士でハンセルの訓練士のタイラー・バン・リーアさんによると、ハンセルは「ものすごくワクワクしている」といい、「『準備はいいか?』と声をかけてハーネスを持って来るたびに、おりの中をぐるぐる回り始める」という。
ハンセルはまだ生後7週間だった時に、カナダのオンタリオ州で闘犬組織から救出された。
元気いっぱいで人なつこいピットブル犬のハンセル/Erik Larson
同組織からは、闘犬にされていたハンセルの母犬も含めて21頭が保護され、この21頭の殺処分に反対する世界的なキャンペーンが展開されていた。
ハンセルと姉妹犬の「グレーテル」を含む5頭は、米フィラデルフィアの非営利組織に引き取られた。同組織は保護犬を引き取って、警察犬や消防犬になるための訓練を受けさせている。
ハンセルは同団体での1年間の訓練を経て訓練所に入学し、灯油やガソリン、ディーゼル燃料など発火性の液体14種類の臭いをかぎ分ける訓練を受けて放火探知犬の資格を取得。ミルビル消防局に無償で譲られた。
すぐに探知犬としての任務を開始するほか、ミルビル以外の警察や消防署の応援にも出動する予定。生徒や学生に防火対策を教える消防署の講習会でも活躍が期待される。