地球外生命体探査のSETIが活動休止、21年続いたボランティアに謝意
(CNN) 地球外知的生命体探査活動を続けてきた米カリフォルニア大学バークリー校のプロジェクト「SETI@home」が、3月31日で新しい解析データの配信を中止して、休眠状態に入ると発表した。同プロジェクトに参加するボランティアは、1999年以来、自分のコンピューターを使って宇宙人探しに協力していた。
休止の理由について研究チームは「収穫逓減(しゅうかくていげん)」に到達したと述べ、「現時点で必要とするデータは全て解析した」と説明。今後はこれまでの解析結果の研究と、科学論文の執筆に専念するとした。
同プロジェクトでは世界で数百万人のボランティアがSETI@homeのスクリーンセーバーをダウンロードして、電波望遠鏡のデータ解析と地球外知的生命体の探査活動に協力してきた。
研究チームは自然界には存在しない宇宙からの微弱な無線信号に着目。この解析には膨大な処理能力を必要とすることから、データを小分けにしてボランティアのPCに配信し、スクリーンセーバーとしてユーザーが自分のマシンを使っていないときに解析を行っていた。
そのおかげで巨大な仮想スーパーコンピューターが形成されたと研究チームは指摘し、「SETI@homeのこの巨大な処理能力を、SETIあるいは宇宙論やパルサー研究といった関連分野の研究のために、バークリー校の他の天文学者が使ってくれることを望む」と表明。20年にわたって協力してくれたボランティアに謝意を表し、SETI@homeのウェブサイトや伝言板は今後も継続すると説明している。
地球外生命体を発見したかどうかについては言及しなかった。