米軍がタリバーン拠点を空爆、合意後の攻撃に報復
ワシントン(CNN) アフガニスタン駐留米軍は4日、同国ヘルマンド州で反政府勢力タリバーンに対する空爆を同日実施した、と発表した。米国防総省当局者は、無人機(ドローン)が空爆したと述べた。
アフガン駐留米軍の報道担当者はツイッター上で、空爆はタリバーンによるアフガン軍や治安部隊の検問所による攻撃への対抗措置とし、攻撃を止めさせる防御手段と説明。タリバーンによる攻撃は3日だけでも43回に達したと述べた。
駐留米軍によるタリバーンへの空爆はここ11日間で初めてともした。
米国とタリバーンは2月29日、駐留米軍の撤退に向けた合意を中東カタールで締結。今月3日にはトランプ米大統領がタリバーンの交渉担当責任者と電話会談もしていた。今回の空爆で合意にほころびが出る可能性もある。
米軍が主導する有志連合当局者はCNNの取材に、ヘルマンド州での空爆後、タリバーン側と接触したとも説明。タリバーン側に戦闘員を制御する必要性を改めて強調するのが目的とした。
駐留米軍の報道担当者は、先月29日の合意では米軍撤収はあくまで合意の条件の順守にかかっているとも述べた。
地方行政当局者はCNNに、タリバーンは3日の夜から4日にかけ3回に分けて攻撃を仕掛け、アフガン軍兵士少なくとも25人が死亡、13人が負傷したと述べた。
米軍とタリバーンの合意は1週間の暴力削減期間を受けたもので、米軍撤収に道筋を付けると共に、タリバーンとアフガン政府の交渉開始を促すのが狙い。ただ、アフガン内務省などによると、合意後もタリバーンの攻撃は16州で起き、民間人や治安部隊が狙われたとした。