新型コロナ感染や重症化リスク、血液型が影響? 各国で研究進む
さらに、ウイルスが患者の血液型抗原を運ぶという説によっても説明できるかもしれないと同氏は話す。この場合、O型の人がつくり出す抗体が、A型の人から感染したウイルスを無力化させている可能性がある。
「ただし、この防御の仕組みがどんな状況においてもはたらくとは限らない。例えばO型の人が、別のO型の人に感染させることもある」とルペンデュ氏は解説する。
英レディング大学のサクティベル・バイヤプリ准教授は、イラクの大学と共同で、イラクの新型コロナウイルス感染者約4000人と、罹患していない4000人について、血液型との関係を調べた。これまでの研究では、O型が防御効果をもつ可能性をうかがわせる結果が出ているが、まだ確実ではないという。
ただし血液型以外にも、新型コロナウイルスに影響する要素は非常に多く、たとえ防御などの効果があったとしても、その影響は非常に小さいと思われる。
例えば米国では、O型はアフリカ系米国人の方が多いにもかかわらず、アフリカ系米国人の感染率は突出して高い。
「O型の人が、自分は感染しないと思ってあちこち出歩いたり、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を守らなかったりするようなことがあってはならない。A型がパニックになる必要もない」とバイヤプリ氏は話している。