化石発見の新種クロコダイル、最後の餌は若い恐竜 豪州
(CNN) オーストラリアのクイーンズランド州で化石が発見された白亜紀の新種クロコダイルについて、最後の餌として若い恐竜を食べていたことが分かった。研究チームが明らかにした。
「コンフラクトスクス・サウロクトノス」と名付けられたクロコダイルの骨化石は2010年、約9500万年前の地層の近くにある牧羊場から発掘された。
この体長2.5メートルのクロコダイルの胃の中に、部分的に消化された若い鳥脚類の残存物が見つかったという。研究結果は科学誌「ゴンドワナリサーチ」に11日掲載された。
今回の発見をした恐竜博物館の声明によると、クロコダイルが恐竜を捕食した証拠がオーストラリアで見つかるのは初めて。
シルト岩の塊の中に保存されていたクロコダイルは部分的に押しつぶされていたが、損傷した化石の中から、白亜紀の小型生物の小さな骨が多数見つかった。
研究チームはX線やCTスキャン技術を駆使して、クロコダイルの化石内にあった骨の位置を特定。また10カ月をかけてコンピューター処理を行い、これらの骨の3次元復元図を作成した。
クロコダイルの化石の保存率は35%だったが、研究チームはほぼ完全な頭がい骨を復元することに成功した。胃の中の恐竜については分類できなかったものの、体重1.7キロ足らずの幼体だとしている。
声明では、クロコダイルはこの恐竜を殺すか、死んだ直後の死骸を採食したとの見方を提示。「恐竜が捕食された例は世界でも一握りしか知られておらず、極めて希少な」発見だという。