太古の火星に生命?、有毒な火山湖に住む微生物が手がかりに
(CNN) 中米コスタリカのポアス山山頂付近に、地球上で最も酸性度の高い湖の一つであるラグナ・カリエンテがある。鮮やかな青をたたえた湖は有毒な金属で満ちている。
水温が38~90度の間で変動する過酷な環境のラグナ・カリエンテは、少数の幸運な科学者が火星についての知見を深めるために訪れる場所でもある。
火山活動によって地下水が加熱されて頻繁に水蒸気噴火が起こり、灰や岩石、蒸気を噴出させる。
しかし、学術誌「フロンティアズ・イン・アストロノミー・アンド・スペースサイエンシズ」に最近発表された新研究などによると、微生物はこうした地球上で有数の過酷な環境でも生存する方法を見つけ出した。
この湖の生物多様性は高くないが、微生物はさまざまな方法で適応、生存することに成功している。
「我々の研究の結果、地球上の最も過酷な環境でも生命が生き延びることが示された」。こう語るのは論文を執筆したジャスティン・ワン氏だ。同氏はコロラド大学ボルダー校の大学院生で、同大の研究助手も務める。
「頻繁に噴火が起こる超酸性の火山湖ほど生命にとって過酷な環境は想像しづらい」とワン氏。「生物多様性の低さや、我々の試料に見られる多数の適応や代謝から、この環境に高度に特化した微生物が生息していることがうかがえる」
この異世界のような環境は、数十億年前の火星にどのようにして生命が存在しえたのかを示唆し、火星上で太古の生命の証拠を探すための新たな場所を教えてくれるという。