昆虫学会、オオスズメバチの英名を変更 「アジアン」改め「ノーザン」に
(CNN) 米昆虫学会とカナダ昆虫学会は、オオスズメバチの英語名「アジアン・ジャイアント・ホーネット」を変更し、昆虫データベースに記録する共通名として「ノーザン・ジャイアント・ホーネット」の名称を採用することを決めた。
オオスズメバチは北米などで「殺人スズメバチ」とも呼ばれる侵襲外来種。アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)や差別が急増する中、害虫の名称に「アジア」が使われていることで、意図せず反アジア感情を強めかねないと判断した。
狩りバチは全てがアジア原産であることから、オオスズメバチのアジアン・ジャイアント・ホーネットという名称は、生態や行動に関する固有の情報を表していないと米昆虫学会は説明する。
名称の変更はワシントン州農務局の専門家が提案。これまでの名称について「よく言っても中間的かつ何の情報もない形容詞で、もっと顕著な特徴から目をそらさせる可能性があり、最悪の場合は人種差別的な表現になる」としていた。
米昆虫学会は2021年にガイドラインを改訂し、民族や人種に言及する名称や不安をかき立てる名称を禁止するとともに、特に侵襲外来種については特定の地域に言及する名称を非推奨とした。
米昆虫学会のジェシカ・ウェア会長は25日に発表した声明で、「ノーザン・ジャイアント・ホーネットは科学的に正確で理解しやすく、不安や差別を生じさせない」と指摘した。
ワシントン州農務局によると、オオスズメバチはミツバチや人間、農業を脅かす恐れがある。同州では19年にオオスズメバチが発見され、駆除の取り組みが続けられている。