NASAの宇宙船オリオンがエンジン噴射、11日に帰還へ
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の宇宙船オリオンが米国時間の1日午後、搭載エンジンを約1分45秒噴射して、それまでの軌道から離脱した。
オリオンは月に再び人類を送り込むことを目指す「アルテミス計画」の第1弾として11月16日に打ち上げられ、これまで15日間の飛行で月を越える前人未踏の軌道に入っていた。
今後は月の周りをもう1周する予定で、米国時間の12月5日午前、月面から128.7キロの上空を通過する見通し。この際にはかつてのアポロ時代に宇宙飛行士が探検した溶岩層など月面の光景が観測できる。オリオンはそこからエンジンを噴射して地球へ帰還し、11日に米カリフォルニア州沖の太平洋に着水する予定。
NASAのビル・ネルソン長官は11月28日の記者会見で、「大気圏再突入は打ち上げ後最大の試練になる。カ氏約5000度(セ氏2760度)という太陽のほぼ半分の温度と、音速の32倍(時速約4万キロ)という速度に熱シールドが耐えられるかどうかを見極めたい」と話していた。