「火星でビール」目指し実験、スペースXが大麦載せた宇宙船打ち上げ
ニューヨーク(CNNMoney) 米宇宙開発企業スペースXは、12日に打ち上げを予定している無人宇宙船に大麦の種子を載せて、国際宇宙ステーションに送り込む。
このプロジェクトは、ビール大手アンハイザー傘下のバドワイザーが支援する研究の一環。バドワイザーは、宇宙旅行に出かけた人たちが火星で飲める初のビール開発を目指すとしている。
宇宙船は現地時間の12日午前11時46分、フロリダ州ケープカナベラルの空軍基地から打ち上げ予定。スペースXは米航空宇宙局(NASA)と組んで、国際宇宙ステーションに補給物資や実験機材を届ける無人宇宙船を往復させている。
バドワイザーの宇宙ビール醸造は、宣伝の要素が強そうだ。同社幹部によれば、同プロジェクトにはバドワイザーの販促予算を充てる。実験にかかる費用は明らかにしなかった。
米国が宇宙ステーションで行っている実験を統括する担当者も、耕作についての研究を深める目的で、大麦の実験が加わることを確認した。
宇宙船に積み込まれた大麦の種子は、宇宙ステーションで約1カ月おいた後に地球へ戻して、微小重力環境に対する反応などを分析。大麦の植物としての生態を探ることで、地球上で健全な作物を育てるための貴重な情報を得ることを目指す。
宇宙ステーションの実験で大麦の種子にスポットが当てられるのは初めて。
「火星で初めてのビール」を醸造すると表明していたバドワイザーは、これを皮切りに多数のプロジェクトを支援する方針で、いずれは研究で得た情報を火星のためのビール醸造に役立てたいと話している。