NGOが難民救助活動を停止 リビアの「脅威」理由に
(CNN) 地中海を渡って欧州を目指す移民・難民の救助活動に当たっていた2つの非政府組織(NGO)が、リビア当局からの脅威を理由に活動の一時停止を発表した。
ドイツのNGO「シーアイ」は13日、フェイスブックの公式ページで声明を発表した。リビア政府が人道団体に「あからさまな脅威」を及ぼしていると指摘。治安状況が変化したため、救助活動を続行するのは乗組員に対して無責任だとして、不本意ながら一時的に停止すると表明した。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」も12日、同様の方針を発表した。リビア当局が11日、同国沖に「捜索救援水域」を設けると発表し、外国のNGO船を締め出す構えを示したことが理由だという。
リビアからはこれまで、多くの難民が欧州に向けて出航してきた。同国にはしっかりした中央政府がなく、密航ビジネスが横行している。
MSFはリビア政府に対し、国際法で認められた救助活動を妨害しないよう要請しているという。
リビア沖では先週、スペインのNGO「プロアクティバ」の船2隻がリビア沿岸警備隊の警告射撃を受けて退避を余儀なくされた。リビア海軍はCNNに、船が同国領海との境界に無断で接近し、退避指示に従わなかったためと説明した。