ビンラディン容疑者殺害作戦の映画、製作過程が論議呼ぶ
ニューヨーク(CNN) 米軍による国際テロ組織アルカイダ指導者オサマ・ビンラディン容疑者の殺害作戦を描いた映画が、近く公開される。製作者らが作戦に関する情報をどのように入手したのかを巡り、論議が巻き起こっている。
映画はキャスリン・ビグロー監督の「Zero Dark Thirty(ゼロ・ダーク・サーティ)」。米軍史上に残る重大作戦を扱う作品だけに、タイトルさえ決まる前から論議の的となっていた。
共和党のピーター・キング下院議員は、「ハリウッドの製作関係者が中央情報局(CIA)の工作員や活動拠点についての情報を入手し、作戦を遂行した海軍特殊部隊と接触したと思われる。あってはならないことだ」と批判する。
キング氏によれば、ビグロー監督と脚本家のマーク・ボール氏が、作戦に参加したCIA関係者らのイベントに出席したこともある。「出席した工作員らは、ハリウッド関係者が来ていることを会場で初めて知った。そこで身元があらわになってしまったことも考えられる」という。特殊部隊員らが意に反して対応を強いられた場面もあったのではないかと、同氏は指摘する。
ビグロー、ボール両氏はCNNの取材に対し、接触相手や知り得た情報についてほとんど語ろうとしなかった。「製作の過程で実施した調査の手順を具体的に話すつもりはない。政府機関を通すべきところは通し、自力で調べるべきところは調べた」とボール氏。ビグロー氏は「映画が完成してほっとしている。あとは作品を見てもらえば分かる」と話す。