DNAから顔を3D再現 NYの芸術家
ワシントン(CNN) 電車の中に落ちていた毛髪や路上に吐き捨てられたガム、たばこの吸い殻などを拾い集めてDNAを抽出し、持ち主の顔を3Dプリンターで再現する――。そんなプロジェクトを米ニューヨークのアーティストが展開している。
このプロジェクト「ストレンジャー・ビジョン」を始めたのはアーティストのヘザー・デューイハグボーグさん。「1本の毛髪に魅せられてアイデアを思いつき、誰かが残していった物から何が発見できるかを探究するプロジェクトになった」と話す。
「作品」の制作は、まず公共の場に落ちている毛髪やたばこの吸い殻などを探すところから始まる。「できるだけ新しいものがいい。踏みつけられたり、古そうに見えるものは使えない」という。
集めたサンプルは地元の生命工学研究施設に持ち込んでDNAを抽出し、ポリメラーゼ連鎖反応という手法を使ってDNAを増幅させる。1本のたばこの吸い殻から、人種や性別、目の色、髪の色、肌の色、太りやすい体質かどうか、ある程度の顔つきまで分かるという。
この情報をコンピュータープログラムに入力して顔の立体モデルを作成。ニューヨーク大学の先端メディアスタジオで3Dプリンターを使い、8時間ほどかけて印刷する。表面を覆う粉末を取り除くと、中から人の顔が出現する。