米CNN、キャスターのクリス・クオモ氏を解雇
ニューヨーク(CNN) CNNは4日、キャスターのクリス・クオモ氏を解雇したと発表した。
CNNは外部の法律事務所を雇い、クリス氏がセクハラ問題で告発を受けていた兄のアンドリュー・クオモ前ニューヨーク知事アンドリュー氏を正確にはどのように支援していたのかについて情報の調査を依頼していた。
CNNは先月30日、クリス氏を無期限の出演停止としていた。情報筋によれば、法律事務所は3日、調査結果を提出。CNNワールドワイドのジェフ・ザッカー社長は4日、クリス氏を解雇した。
クリス氏が出演していた番組のプロデューサーやスタッフは引き続き残る。次回の放送ではレギュラーの代役がホストを務める。
CNNは声明で、クリス氏がアンドリュー氏の擁護に関与していたとの新たな情報が明るみに出て新たな評価を下すまで、クリス氏を出演停止処分としていたと説明。法律事務所が調査を行い、クリス氏を即座に解雇すると決めたと述べた。
調査の中で「追加情報」が明らかになったとしている。解雇処分を行ったが、適切に調査を行うと述べた。
CNNの広報担当は、追加情報について、それ以上の詳細については明らかにしなかった。
クリス氏は4日、声明で、自身が望んだような終わりを迎えなかったが、すでにアンドリュー氏を助けた理由や方法は伝えてあると述べ、スタッフらに謝意を示した。
クリス氏の関与については数カ月前から報道が出ていたが、関与の詳細については、ニューヨーク州のジェームズ司法長官が11月29日に公表した文書で明らかになった。ジェームズ司法長官はアンドリュー氏のセクハラ問題について調査を行っていた。このとき明らかになった文書によれば、クリス氏は、事実上アンドリュー氏の無報酬の側近として働いていたという。
親密で不適切な関与はテキストメッセージを通じてやりとりが行われた。司法長官のオフィスが入手した、クリス氏と前知事の側近らの間で交わされたメッセージで明らかになったのは、セクハラの被害者が体験を公にし始めた際、クリス氏が自身のマスコミ内のコネクションを利用して前知事のチームの準備を支援しようとしていたことだった。
CNNは以前、クリス氏がアンドリュー氏のスタッフに助言を与えていたと認めたとき、クリス氏がCNNのルールを破ったことを公に認めた上で、同氏の置かれた特異な立場を認識し、仕事よりも家族を優先した姿勢に対して理解を示した。
だが、今回の文書で明らかとなったのは従来確認していたよりも大きな関与であり、CNNはさらなる評価を下すまでクリス氏を無期限の停職処分とした。
そしてテキストメッセージや文書にCNNの基準の深刻な違反を示す情報が存在することを受け、クリス氏は4日に解雇を通知された。