エジプトのナイル川流域でこのほど、これまで確認された中で最古と考えられる村落の跡が見つかった。年代は約7000年前の新石器時代にさかのぼるとみられ、ピラミッドの建造などで隆盛を誇ったファラオ(王)らの時代よりもさらに古いという。
エジプト考古省は2日、フェイスブック上に公開した声明で、首都カイロの北に位置するダカリーヤ県テル・エル・サマラで村落の跡を発見したと述べた。
エジプトとフランスの考古学者からなる合同研究チームが、現地で見つけた貯蔵庫の跡から動物の骨や植物の痕跡を確認したほか、陶器や石器の破片も発見した。
この村落の年代は紀元前5000年とみられ、古代エジプトを代表する建造物であるギザの大ピラミッドの着工より2500年ほど前に築かれていたことになる。
村落の発掘が始まったのは2015年。研究者らは今後も作業を継続し、出土した有機物の分析を通じてエジプトにおける農業の起源を解明する手掛かりを得たい考えだ。
エジプトでは7月、地中海沿岸のアレクサンドリアで、開けられた形跡のない黒色花崗(かこう)岩でできた巨大な石棺が発見され、世界的な注目を集めていた。