500年前に制作されたとみられる2体1組のブロンズ像について、美術研究家のチームは16日までに、ルネサンス期の巨匠ミケランジェロの作品であることを確認した。ミケランジェロ作のブロンズ像で現存するのはこの一点のみだという。
ブロンズ像は裸の男性がヒョウらしき動物にまたがって片腕を高々と掲げているデザイン。2015年2月からミケランジェロの作品で現存する唯一のブロンズ像ではないかという声が上がり、英ケンブリッジにあるフィッツウィリアム美術館が中心となって調査が行われてきた。
同美術館は14日、像がミケランジェロの作品であることを示す証拠を発表した。それによるとヒョウにまたがった男性の腹筋や足の指の造形に、他のミケランジェロ作品と共通する特徴がみられるという。
8つに分かれた腹筋など、ミケランジェロの作品に特徴的な人体造形が判断の決め手になったという/Credit: JACK TAYLOR/AFP/Getty Images
フィッツウィリアム美術館で応用美術の管理を統括するビクトリア・アベリー氏は記者会見で、この1組のブロンズ像について「ミケランジェロの手による作品で1505~07年ごろに制作されたと考えられる」「当時ミケランジェロは創作の才能における絶頂期を迎えており、同時代の作家を上回って、あらゆる分野で中心的な存在になろうと必死に努力していた」と説明した。
像はロスチャイルド家が所有していた1878年に初めてミケランジェロの作品と記録されたが、その後こうした見方は撤回されていた。