オランダの巨匠レンブラントの自画像が28日、オンライン競売にかけられ、競売大手サザビーズによると、レンブラントの自画像では過去最高額となる1450万ポンド(約19億7000万円)で落札された。
落札されたのはオーク材に描かれた1632年の油彩画で、同国アムステルダムで名声を確立したばかりの若きレンブラントを描いたもの。個人が所蔵するレンブラントの自画像としては残り少ない作品の1つとみられている。
落札された肖像画はこれまでコレクターが個人で所蔵していた/Rembrandt/Private Collector/Sotheby's
レンブラントは自画像の分野を開拓した芸術家のひとり。サザビーズによると、絵画や版画、素描など計80点あまりを制作し、22歳から63歳にかけての時期の内面や外見を記録した。
自画像の制作には性格描写や、内面や光の表現の練習に加え、顧客に販売する目的もあった。将来の顧客に対して、肖像画の制作を依頼した場合にどのような絵ができるかを提示する目的で自画像を描いたのではないかと、サザビーズは解説している。
落札作品の中のレンブラントは黒い服に加え、ひだ襟や金飾りの付いた黒い帽子を身に付けている。レンブラントが裕福な若い男性として自分の姿を描いた作品は、これを含め2つしかない。
レンブラントの自画像の落札価格はこれまで2003年の890万ドルが最高だったが、今回はこれを上回る高値での落札となった。