6年前、共同住宅の工事現場で見つかった古代ローマの精巧なモザイク床が、来月オープンする地下美術館で展示される。
モザイク床が発見された現場はローマの七丘の1つ、「アベンティーノ」に位置する。地元の遺跡の管理に当たる考古学者らが発掘作業を行ったところ、モザイク床のほか複数の構造物や工芸品が出土した。
新たな美術館ではビデオマッピングなどのメディアを活用し、遺跡の歴史を来館者に解説するとしている。
考古学者らによると、当該の土地には紀元前2世紀の半ばごろに上流階級向けの邸宅が建てられた。美術館の目玉となる黒と白のタイルで描かれたモザイク床の起源は紀元前1世紀の終わりにさかのぼるという。
モザイク画は上流階級向けの邸宅の床を彩っていた/Soprintendenza Speciale di Roma/BNP Paribas Real Estate
このほか紀元後98年から175年までに制作された計7点のモザイク画も展示される予定。
考古学者らと共同で今回のプロジェクトを進めてきたBNPパリバ・リアルエステート・イタリーのピエロ・コッコオルディーニ最高経営責任者(CEO)は、遺跡について「隠れた宝石箱」であり、1000年単位で過去を見通してきた生き証人だと述べた。