(CNN) 紀元後4世紀に由来する3万枚以上の大型の銅貨が、一般人のダイバーによって伊サルディーニャ島沖で見つかった。難破船の存在を示唆し得る発見ともなっている。イタリア文化省が明らかにした。
同省が4日の声明で述べたところによれば、当該のダイバーが何らかの「金属の遺物」を見つけたのは、サルディーニャ島の町、アルツァケーナ近くの浅瀬だった。これらの遺物は「フォリス」と呼ばれるローマ時代の青銅製もしくは銅製の硬貨であることが分かった。後代には東ローマ帝国の貨幣としても使用された。
フォリスが見つかった地点からは、それらを運んで沈んだ難破船が発見される可能性もある/Italian Ministry of Culture
重量から判断して、これらの硬貨の総数は3万~5万枚と推計されるという。これは2013年に英シートンで見つかったフォリス、2万2888枚を上回る。
回収された全ての硬貨は「珍しいほど保存状態が良く」、損傷しているのは4枚のみ。それらも表面の文字などは判読が可能だという。文化省の声明によると、硬貨の年代は西暦324~340年。ローマ帝国全域にある鋳造所で製作された。
「(発見は)我が国の海底が今なお守り、保存している考古学的遺産がどれほど豊かで重要なものかを浮き彫りにする。この海底を、人や事物が最古の時代から行き交ってきた」。この地方にまつわる考古学、美術、地形について統括するルイージ・ラロッカ氏は、文化省の声明の中でそう述べた。
4枚を除く全てのフォリスは、非常に保存状態が良いとされる/Italian Ministry of Culture
同省は硬貨が見つかった地点について、砂地の海底と説明。浜辺と海草の生えた一帯の間に位置するとした。そこには理論上、難破船が残されている可能性があるという。硬貨の他にも、アフリカや東方で製作されたアンフォラの遺物も見つかった。アンフォラは古代ギリシャ・ローマで使用された高さのある容器。首は細長く、2つの取っ手が付いている。
「アルツァケーナ近海で見つかった財物は、近年の貨幣学上の発見で最重要の部類に入る」と、ラロッカ氏。サルディーニャ地方には「尋常ではない遺産」が眠っているとしつつ、それらは「同時に極めて失われやすいものでもある。自然現象や人間の活動の脅威に常に直面している」と付け加えた。