Ｅ．Ｔ．に新しいおうちができた。
スティーブン・スピルバーグ監督のＳＦ映画「Ｅ．Ｔ．」（１９８２年）に登場した小さな宇宙人のオリジナル電子機械工学モデルが、先の週末に２５６万ドル（約３億３８００万円）で落札された。オークション主催者が明らかにした。
モデルは、特殊効果の巨匠カルロ・ランバルディ氏が８１年に制作した/Julien's Auctions
映画撮影に使われたモデルは、アカデミー賞を受賞した特殊効果の巨匠カルロ・ランバルディ氏が８１年に制作。このほど、ジュリアンズ・オークションと、ターナー・クラシック・ムービーズ（ＴＣＭ）が開いたオークション「アイコンズ＆アイドルズ：ハリウッド」に出品された（ＴＣＭはＣＮＮと同様、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの傘下にある）。
「工学的傑作とされる、この比類のない、自然な動きをするフィギュアは、８５の関節を持ち、映画制作にＣＧＩ（コンピューターグラフィック映像）効果が登場する以前のもので、１９８１年に設計・開発・制作が行われた」。出品説明にはそう記載されている。
フィギュアは、コンピューターグラフィックが登場する前に制作された/Julien's Auctions
この大きな目をした宇宙人は、顔の表情を変えたり首を動かしたり、光る指先を立てたりする動作ができる。アニメーターのチームが電子工学や機械工学の要素を駆使して命を吹き込んだ。出品説明によると、スピルバーグ監督はこのＥ．Ｔ．のモデルを「映画界の８不思議」と形容した。
ほかにも、スピルバーグ監督にこのキャラクターのデザインを認めてもらうために制作されたＥ．Ｔ．の模型が１２万５０００ドルで、映画の登場人物「グレッグ」が乗った自転車「クワハラＢＭＸ」が１１万５２００ドルでそれぞれ落札された。今回のＥ．Ｔ．記念品オークションは、映画の公開４０周年に合わせて開かれた。
映画Ｅ．Ｔ．はヘンリー・トーマスやドリュー・バリモアが出演。米国の住宅地郊外に取り残され、人間と友達になって自分の家に帰ろうとする宇宙人の物語だった。
Ｅ．Ｔ．の子どものような無邪気さは世界中の心を打ち、８２年のアカデミー賞では視覚効果賞を含めて４部門を受賞した。映画情報サイトのボックスオフィスモジョによると、劇場公開が終了するまでに、米興行収入は３億５９００万ドルを超えた。
主演のトーマスは今年１０月、ＣＮＮにこう語っていた。「この作品は、私たちに普遍的な人に寄り添う心に語りかけた。私たちみんながそれを持っている。私たちは誰もが育てる心を持っているよね？ だからそれに語りかけたんだと思う。これは私たちを子どもの頃に戻してくれた」
「アイコンズ＆アイドルズ：ハリウッド」のオークションには、ほかにもハリウッド映画のコレクション１３００点以上が出品された。セシル・Ｂ・デミル監督の名作「十戒」の紅海が割れるシーンでチャールトン・ヘストンが使った杖は４４万８０００ドルで、マリリン・モンローが持っていた黒いウールのドレスは２５万６０００ドルで落札されている。
