女子テニスの大坂なおみ選手(23)が仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の新たなブランド・アンバサダーに起用されたことが分かった。ルイ・ヴィトンが大坂選手をモデルに撮影した色鮮やかな最新のショットとともに、提携を発表した。
大坂選手はテニス4大大会(グランドスラム)で3度の優勝を果たし、現在世界ランク3位。ルイ・ヴィトンによる今年の春夏コレクションの広告に登場する。
本人はツイッターとインスタグラムに「わあ、これは本当にすごい」「ルイ・ヴィトンの最新のハウス・アンバサダーになることができて光栄です」と投稿した。
さらに「面白い話」として、16歳の時に母の誕生日にルイ・ヴィトンのバッグを初めて贈ってから、それが毎年恒例のようになっているというエピソードも披露し、「一周して戻ってきた」感じだと書き込んだ。
ルイ・ヴィトンは声明で、大坂選手を「多くの顔を持ち、自立していて現代的」「ルイ・ヴィトン的な女性を完璧に体現している」と評した。
発表とともに公開された写真は、ウィメンズ・コレクションの芸術監督を務めるニコラ・ジェスキエール氏が今年の春夏コレクション向けに撮影した。大坂選手は大胆な色使いのワンピースを着て、ルイ・ヴィトンおなじみのモノグラム柄のバッグを手に持っている。
ジェスキエール氏はインスタグラム上で、大坂選手を「若い世代を代表する大変素晴らしい女性。あらゆる人のお手本だ」と称賛。「彼女のキャリアと信念は人を元気にする。感嘆するばかりだ」「いつも自分に正直で、価値観を曲げることがない。これから1年間、一緒に新たなプロジェクトに取り組むのが楽しみだ」と書いている。
大坂選手はハイチ出身の父と日本人の母を持つ。昨年の全米オープンでは、夏に起きたブラック・ライブズ・マター(BLM)の抗議デモに支持を表明して広く称賛された。出場した7試合で毎回、警察や人種差別の暴力で犠牲になったとされる人々の名前入りマスクを着用した。
当時の記者会見では「テニスを世界中の人が見ていることは知っている。その中にはブレオナ・テイラーさんの話を聞いたことのない人がいるかもしれない。そういう人がグーグルで調べたりするかもしれない」と話していた。
ファッションを通し、日本人としてのアイデンティティーを堂々と主張したこともある。昨年のニューヨーク・ファッション・ウィークに、日本のブランド「アディアム(ADEAM)」と共同でデザインした初の限定コレクションを披露した。ドレープやフリルの造形を前面に出し、日本の伝統と現代的なデザイン要素を融合させたコレクションだった。
ルイ・ヴィトンの発表直前には、米国版ヴォーグ誌1月号の表紙に初登場していた。ルイ・ヴィトンのキャミソールワンピースを着て野外に立つ姿を、有名写真家のアニー・リーボビッツ氏が撮影した。
ルイ・ヴィトンがスポーツ界に進出したのは初めてのことではない。ただし最近のスポーツ界との提携はメンズ部門に限られていた。
昨年8月にはメンズのクリエーティブ・ディレクター、バージル・アブロー氏が、スケートボードのルシアン・クラーク選手とのコラボを発表。同選手はルイ・ヴィトンのスケーター用シューズのデザインを手掛けた。
続いて米プロバスケットボールNBAとのコラボも発表された。「バスケットボールの文化への貢献とその多様性」に敬意をささげるとの趣旨から、NBAのロゴが付いたウェアやバッグ、靴、アクセサリーの限定コレクションが誕生した。