米NSAが中国・華為技術の通信網に侵入 米紙
ニューヨーク(CNNMoney) 米国家安全保障局(NSA)が中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」のネットワークに侵入していたと、米紙ニューヨーク・タイムズが24日までに報じた。米中央情報局(CIA)のスノーデン元職員からの情報として伝えた。
スノーデン元職員が提供した文書によると、NSAは2007年以降、華為技術と中国政府や軍との連携を探るために同社の幹部間の交信を監視していたが、連携は確認されなかった。
NSAはさらに、イランやアフガニスタン、パキスタン、ケニア、キューバにいる同社ユーザーの通信を追跡する目的で、同社のネットワークへの侵入を図ったという。この作戦が最終的に実行に至ったかどうかは明らかでない。
ドイツ誌シュピーゲルも同様に、NSAの対中監視作戦を伝えた。
米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)とNSAの報道官はいずれも、問題の文書の具体的な内容についてのコメントを避けた。ただNSCの報道官は、「米政府は他の多くの国と違い、収集した情報を国内企業の競争力強化のために提供することはない」と強調した。また、NSAの報道官は「NSAの対外情報集活動に使われる手段を継続的、選択的に暴露する行為は、わが国と同盟国の安全保障に悪影響を及ぼす」と改めて非難した。
米政府はかねて華為技術と中国政府との関係に疑念を示し、同社の米国進出を阻止してきた。NSAのヘイデン元長官は昨年、同社が中国政府のスパイとして外国の通信システムに関する詳細な情報などを当局に提供していると非難していた。