中国ハッカー、米海軍の機密データ盗む 対艦ミサイルなど
ワシントン(CNN) 米政府当局者は10日までに、米海軍が開発中の潜水艦搭載用の超音速対艦ミサイルなどの高度な機密データが中国政府系のハッカーにより海軍の契約業者のコンピューターから大量に盗まれていたことを明らかにした。
米紙ワシントン・ポストが報じた。被害があったのは今年の1、2両月。米政府当局者は、標的となった契約業者の身元は明かさなかった。海軍は米連邦捜査局(FBI)の支援を得て捜査しているとした。
盗まれたデータは高度な秘匿性が必要だったものの、機密保護の処置がなされていない業者のコンピューターネットワーク上で保管されていたという。米海軍の報道担当者は声明で、今回の問題の詳細にさらに触れるのは適切ではないと述べた。
この対艦ミサイルは2020年までの配備を予定していた。
米中関係は現在、貿易摩擦問題などで対立が深まっている。中国情報機関による米国の国家機密入手に対する米国側の警戒感も強く、過去には中国のスパイ活動も再三摘発されている。
今週には米国防総省国防情報局の元要員が米国の国防情報を中国に流したとして逮捕、訴追されていた。米バージニア州では先週、中国のためのスパイ活動への従事が疑われる米中央情報局(CIA)の元秘密工作員の裁判が開廷していた。