中国ピンドゥオドゥオ、4~6月期の利益を全額寄付 農村振興に
香港(CNN Business) 中国の電子商取引(EC)大手、拼多多(ピンドゥオドゥオ)は24日、前四半期の利益を国内の農村開発プロジェクトに全額寄付すると表明した。中国政府は現在、富の再分配を求める動きを強化している。
拼多多は今回、4~6月期の利益3億7200万ドル(約410億円)相当を農業セクターや農村部の発展に向け寄付すると表明。合計では寄付額は100億元(約15億ドル=1650億円)に達すると見込んでいる。
拼多多の陳磊(チェンレイ)会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、「これは重要で難しい課題になる。我々は忍耐強く投資していく」と述べ、自らプロジェクトの監督に当たる考えを示した。
拼多多は米ナスダックに上場する企業で、4~6月期に公開企業として初めて黒字を計上した。3年前に上場してから配当は行っていないものの、株価は3倍以上となり、株主に大きなリターンをもたらしている。
ニューヨーク証券取引所では24日、同社の株が22%上昇した。
中国ではインターネットやゲーム事業を手掛けるテンセントも先週、政府の掲げる「共同富裕」の目標の達成へ500億元を投じると発表していた。貧困層の所得拡大や教育格差是正などを支援するという。
「共同富裕」という言葉は中国で歴史的な重要性を持ち、最近では習近平(シーチンピン)国家主席が、富の再分配を目指す新方針を示した際に用いた。富の再分配の文脈でのこの言葉の使用は、20世紀半ばの毛沢東元国家主席を想起させる。毛沢東は当時、貧農を動員して裕福な地主や富農から権力を奪う目的で、「共同富裕」を提唱していた。
中国では政府が民間セクターの引き締めに動くなか、富裕層や企業は規制強化に直面しており、習氏の方針でさらに圧力が強まった形となった。