韓国が定めたキムチの中国語表記、再び「文化戦争」の火種に
(CNN) 「キムチ」の表記がまたも中国と韓国の文化的対立の種になっている。韓国文化・スポーツ・観光省が7月、一部の韓国料理の「適切な外国語」表記に関する指針を改定するとの通知を発表したのがきっかけだ。
新たな指針には、「辛奇(シンチ)」をキムチの新たな正式中国語表記にするとの規定があり、長年広まっていた訳語である「泡菜(パオツァイ)」は廃止される方針となった。
問題の原因は、「キムチ」の発音を表す中国語漢字がないことにある。そのため、韓国の農業当局は4000あまりの中国語漢字を検討し、「キムチ」に音が似ているとして「辛奇(シンチ)」に決定したと報じられている。
新名称の採用により、韓国政府は韓国のキムチと中国の漬物との間に明確な線を引きたい考えだ。後者は中国で「泡菜(パオツァイ)」と呼ばれる。
指針改定の声明では「キムチの中国語名に『辛奇』を使うことにより、韓国のキムチと中国のパオツァイが明確に区別され、韓国の伝統食であるキムチについての意識が中国国内で高まることを期待する」としている。
新指針は韓国政府や関連組織にとっては義務となるが、韓国の民間企業や中国メディアにとっては勧告にとどまる。
それでも、両国のメディアやネットユーザーの間では激しい議論が巻き起こった。
ただ、この議論の内容を詳しく見る前に、キムチとパオツァイの違いを理解する必要がある。