ケリー米大統領特使、日本と中国訪問へ 気候変動対策を協議
(CNN) 米国のジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)が来週にかけて日本と中国を歴訪し、両国で気候変動対策に取り組む高官らと会談する。11月に英スコットランド・グラスゴーで開催予定の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)に向けた下準備になるとみられる。
ケリー氏は31日に日本を訪問。その後来月1~3日の日程で中国を訪れる。計画に詳しい関係者が明らかにした。
今回がケリー氏にとって2度目の訪中。現地では中国の気候変動対策を率いる解振華氏との協議を継続し、同国経済の脱炭素化に向けたスケジュールを加速するよう説得を試みるとみられる。
日本では小泉進次郎環境相と会談し、日米で協力する分野について話し合う。
中国はケリー氏にとって、COP26に向けての最大課題の一つだ。温室効果ガス排出量世界一の同国は2060年までに排出量実質ゼロに移行すると約束しているが、これは米国や欧州連合(EU)より10年遅れのスケジュールとなっている。
米国の温室効果ガス排出量は世界2位。ケリー氏がかねて明確にしている考えによると、米中が急速に脱炭素化する以外、地球温暖化に歯止めをかける方法はない。地球の気温が産業革命前と比べて1.5度上昇すれば、気候変動の影響が極めて甚大なものになるとされている。